雨の日はどこか憂うつな気持ちになりがち。
そんな気持ちを変えてくれる音楽をずっと探していて、やっと出会えたのが Iwamura Ryutaの『Raining to Hear』というアルバムです。
雨音とピアノの音が重なり合い、憂鬱な雨の日を前向きにさせてくれる、穏やかさと優しさを持つ作品をご紹介しようと思います。
目次
アルバム『Raining to Hear』について
Raining to Hearは、ピアニスト Iwamura Ryuta(岩村 竜太)さんの6枚目となるアルバムで、「雨音」をテーマにした2020年10月にリリースの作品です。
傘に当たる雨音、車やバイクが通った後の雨音、窓に当たる雨音、雨といから滴る雨音。
普段はまったく気にもしない雨音も、アルバムを聴いていると、その種類の多さに気づくことができました。
また、雨音はノイズのような印象もあり、「プチプチ」という音は、まるで古いレコードから鳴っているかのような感覚に。
人の足音や車・バイクの音など、雨音の他に都市のノイズも重なり合い、ピアノと美しく調和しています。
今作のジャケットデザインも、イラストレーターの Noritake が担当。
今作とあわせて過去4作品のジャケットデザインに携わっており、とある方のお話だと「アルバムジャケットを見比べると、手の位置が段々と上がってきていて、それとともにアルバムの音も少しずつ明るくなってたような気がする」とのことです。
確かに過去の作品と比べると今作はややリズミカルで、「雨の日はそんな悪くないよ」という前向きな想いが、どこか伝わってくるようかのようです。
マスタリングは、haruka nakamura や森ゆにの楽曲にも携わる Gen Tanabe(田辺 玄)が担当。
実際に雨の日に外に出て、ヘッドホンから流れる音を聞くと、その違和感のなさに驚かされます。
ピアノの余韻はやや長めで、鍵盤から奏でられる音の一つひとつも、「もしかすると雨音の一つではないか?」と思わず想像しながら聴いてしまいました。
アルバムのオススメ曲(私的)
アルバムは10曲約37分。
そのなかから、オススメの曲をピックアップしてご紹介します。
01 Blessed
聴こえてくる雨音は、窓ガラスに当たる雨音のような、傘に当たって跳ね返る雨音のような。
バイクが通り過ぎる音や、車が水たまりの中を進むときのような音もあり、そこにピアノの音が重なります。
主旋律と副旋律が、一定のリズムで繰り返し刻まれているので、ストレスがなくスッと耳に入ってきます。
03 Intermittent
どこか遠くから聴こえてくる雨の音に、ピアノの音が重なります。
特に主旋律となる高音域は「ポロンポロン」と軽やかさがあり、中盤以降はどこかジャジーな印象。
雨が上がりかけている夕方のようなシチュエーションを想像しました。
05 Dripping
雨を弾く傘のような音が聴こえ、ややアップテンポな音域を繰り返すピアノな鳴り響きます。
Dripping の意味は「滴り落ちる」。
英語の意味を考えると、その滴り落ちる音は、ドリップした時にカップの中に滴るコーヒーのような気もします。
09 Chilling
曲の最中は、ピアノだけの箇所と雨音やノイズが一緒に重なる箇所がランダムに続きます。
特にノイズ部分は、雨が降るなかの道路沿いを傘を差して歩いているシチュエーションを感じました。
クラシックさとアンビエントなニュアンスも併せ持った曲になっていて、より夕暮れのような一日の終わりを感じさせてくれるようなスローテンポな曲になっています。
まとめ
Iwamura Ryuta さんの『Raining to Hear』をご紹介いたしました。
雨音やノイズの先から聴こえてくるピアノの音は、どこか優しい響きがあり、雨の一日もきっと楽しくさせてくれるかのようです。
ちょっと苦手な雨の日も、この一枚があれば乗り越えられるような気がします。
アルバムの購入方法について
アルバムの購入方法については、以下のリンクやアーティスト公式ページに詳細が記載されています。
ぜひチェックしてみてください!
参考
Iwamura Ryuta オフィシャルサイトhttp://iwamuryu.jp/?p=816#more-816