FUJIFILMのカメラに関連するカスタムといえば、FUJI X WEEKLYというサイトが有名です。
僕もそのサイトでカスタムの面白さを知り、当時のフィルムをデジタルで再現するという行為に魅力を感じました。
そのなかで一番初めに興味を持ったのが、PRO400Hというフィルムです。
今回のカスタムは自分で作ったオリジナルです。いろんな作例を参考に、自分が納得できるカスタムを作ってみました。
作例もたくさん載せていますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
FUJICOLOR PRO400Hについて
FUJICOLOR PRO400Hは、多くのフィルムカメラユーザーを虜にしてきたカラーネガフィルムです。
「第4の感色層」を採用し、人間の目では感知が難しかった色味に対しても忠実な色表現ができるといわれています。
ナチュラルな色合い、もしくは青みが強い写真が撮れるという印象を持つ方が多いのではないでしょうか?
「第4の感色層」の採用により、さまざまな光源下での忠実な色再現を実現。優れた粒状性で、ハイライトからシャドーまで滑らかな表現。感度ISO400で、幅広い撮影シーンに使えます。
発色:自然で落ち着いた発色
階調:軟らかい
お奨めの被写体:
1.滑らかでしっとり落ち着いた肌色描写を求める用途に。
2.高感度かつ蛍光灯やミックス光源に強く、色温度の影響を受け難いので、室内および屋外のあらゆるシーンで。
3.コマーシャル、建築写真など、色転びがすくないのでプロフェッショナル向けの撮影に
ISO感度:ISO400
しかし、135サイズは2021年3月、120サイズは2022年3月に出荷終了時期を迎えたとされ、入手困難かつ価格も高騰しているフィルムの一つです。
カスタム方法について
フジカラーPRO400Hを試すカスタムは以下のとおり。
【カメラを起動】→【メニュー】→【カスタム登録/編集】から設定してみてください!
グレイン・エフェクト:小・大
カラークロームエフェクト:弱
カラークロームブルー:弱
ホワイトバランス:AUTO
WBシフト:R-5、B+5
ダイナミックレンジ:AUTO
Dレンジ優先:OFF
トーンカーブ:ハイライト-2、シャドウ-1
カラー:+4
シャープネス:-4
ノイズリダクション:-4
露出補正:±0~+1
ISO感度:オートで6400まで
作例
このカスタムを使っていろいろ撮ってみました。
いろんなシチュエーションを用意したので、ぜひ雰囲気を感じ取ってみてください!
※作例はすべて撮って出しです。
朝~昼間
PRO400Hといえば、特に青の色味が非常に強い印象がありますが、今回は多少抑え気味にしてどのようなシーンでも違和感の少ないカスタムをめざしました。
カラーを+かつWBシフトをシアン側に寄せているので、緑色がしっかりと出ています。
順光もしくは半逆光であれば、青色も比較的残りやすいです。
しかし、クラシックネガの特性上、ハイキーにしすぎると青が飛んでしまうので注意が必要です。
曇りの日はやや暗めな写真になりますので、露出を+側にした状態で撮影するといい感じです。
午後~夕方
夕暮れ時の空を撮る際は、露出を±0~-1/3にすると、色が潰れずに空の青色も残ってくれます。
夜
夜の場合は繁華街など、特に光がしっかりと入る場所であれば、こってりした印象の写りになります。
特に何もいじっていないクラシックネガだと、マゼンタが強くなるので、写真が全体的にもっと赤みを帯びてしまいます。
今回はWBシフトをシアンかつブルー側に寄せているので、あたたかさよりも少し冷たさを感じる色合いが特徴です。
屋内・テーブルフォト
屋内やテーブルフォトは半逆光であれば、あえてハイキーにして撮ると、青みがそこまで強くならない印象があります。
暖色系の空間やサイドから光が当たる場合は、青みがやや目立つような写りになる気がします。
今回のカスタムのポイント
PRO400Hのカスタムを作るときに一番迷ったのが、どのフィルムシミュレーションを使うかということ。
最終的に絞ったのがクラシックネガとエテルナでした。
しかし、エテルナはご存じの方も多そうですが、非常に彩度が低いフィルムシミュレーションです。
そのため、どれだけカラーを+側にしても、色の乗り方が他の作例に比べて物足りない印象があったのです。
そこで彩度が比較的高く、緑色も出しやすいクラシックネガを選びました。
その他のポイントは以下のとおりです。
・WBシフトをシアンかつブルー側に寄せて、青みのある写りを演出
・シアン側に寄せているのでマゼンタが強く出すぎない
・ハイキーにすると白っぽさのあるやわらかい描写になる
注意点
カスタムのベースはクラシックネガです。
そのため、以下の機種はカスタムを設定できません……
X-H1
X-T2
X-Pro2
X-T20
X-E3
X100F
ファームウェアのアップデートによっては対応している機種もあるかもしれませんが、公式サイトの情報では上記の機種にクラシックネガは搭載されていません。
まとめ
FUJICOLOR PRO400Hのカスタムをご紹介しました。
マゼンタの印象が強いクラシックネガも、WBシフトの調整が大きいポイントですが、新たな色味を作り出せるきっかけになりました。
もちろん、自分のカスタムが正解とは限りません。
ですが、あらゆるシチェーションで楽しんでいただけるカスタムになっていますので、ご自身の愛機で楽しんでみてください!